文学作品千鳥の道

文学作品千鳥の道

2018年06月16日

「千鳥の話は馬喰の娘のお長で始まる。小春の日の夕方、蒼ざめたお長は軒下へ蓆を敷いてしょんぼりと坐っている。」

 
鈴木三重吉「千鳥」のくだりです。明治38年8月、鈴木三重吉は東京帝大1年の時、心のうれいをいやすため来村し、回船問屋下田家に滞在しました。そこで、女主人と長女初代と弟らの厚い人情と温かい風土にふれたことを夏目漱石に近況報告として書き送っていました。漱石の激賞を得て一躍文壇に登場したのが処女作「千鳥」です。